藤本 枝里

『私の夢』 藤本 枝里

藤本 枝里

私の夢は、介護福祉士になることです。私が介護福祉士になりたいと思ったきっかけは二つあります。

 一つ目は、中学二年生の時に学校行事であるトライやるウィークに一週間、病院で職業体験をした時に出会った、ある目の不自由な利用者さんとの出来事がきっかけです。それは、介護実習中私がその利用者さんの肩もみをしている時のことでした。肩もみをしながら私は、「痛くないですか。気持ちいいですか。」と聞くと利用者さんは、急に私の手をぎゅっと握りしめ「ありがとう。ありがとう。」と何度も言いました。私は、その時目から涙がポロポロこぼれました。肩もみをしただけなのにこんなにも感謝され、人の温かさを感じるとは思っていなかったし、何よりありがとうという言葉は、今まで私なんか生きていても何の役にも立たないと後ろをむいていた私にとっては、すべてを包みこむような優しいものであり、自信がついたものでもありました。病院での介護実習をした一週間、大変なこともいっぱいあったけれど私は、いつも心から素直になれて、自然と笑顔でいることが出来ました。そして、この時私は将来、この経験を生かし、少しでも多くの人に役立つ仕事に就きたいと思いました。

 二つ目は、私には八十歳近くになる祖母がいます。祖母は、お母さんがいなくなってから私たち兄弟のために毎日,いつも一生懸命いろんな事をしてくれました。祖母の腰は曲がっていて本当はすごくしんどいはずなのにいつも笑顔でいてくれました。そんな祖母は私にとってお母さんのような存在でもありました。しかし、祖母とは今、全然会っていません。毎日どうやって生活しているのかと思うと心が痛くなります。だから、私は祖母に苦労をかけた分、次は私が祖母をサポートしたいです。

この二つの出来事や思いが介護福祉士なりたいと思ったきっかけです。

 私は、介護福祉士になったら身の回りのお世話をする介護のプロフェッショナルになるだけではなく、常に利用者さんの立場に立って、心のケアや生きがいまで支え、利用者さんの心に残るそんな介護福祉士になりたいです。私は、してあげる介護ではなく、心が通い合うそんな介護を目指します。

 今、夢を見つけた私は目指すものが出来て、それに向かって進んでいます。しかし、私にはまだ、何に対しても自信・勇気が足りません。実際に今回、学園の先生にアメリカに行く機会があると聞いた時も私は、すぐに行きたいと言ったけど、内心すごく不安でビクビクしていました。私は、もしアメリカに行く事が出来たならそれ自体が自分にも自信がつくことと思います。そして、アメリカに行く事により私は、多くの人に出会い新しい自分を発見し、自分自身の視野を広げることが出来、自分の夢につなげる材料を見つけることが出来るような気がします。

 私は、まだ夢に向かってスタートを切ったばかりで、これから沢山の困難にもぶち当たることと思います。だけど、そこで今までの自分のようにすぐあきらめてしまうのではなく、自分自身の無限の可能性を信じ、前を向いて強く生きて行きたいです。

 数年後、私がいることで元気が出るとか、心が温まるとか、大げさかもしれないけど、そんな太陽のような存在の介護福祉士に私は、必ずなっています。