吉舌 孝

『僕の夢』 吉舌 孝

吉舌 孝

 僕には夢が二つあります。その一つは建築士になるということです。

 建築士になりたいと思いはじめたのは、父がキッカケでした。僕の父は建築士だったので、一旦仕事が入ってしまうと、長い間遊んでもらえないことがしばしばありました。なので父は、僕をよく仕事現場に連れて行ってくれました。父の建てる家はあまり大きなものではありませんでしたが、まだ幼かった僕にはとても魅力的に感じられました。父の建てる家の一軒一軒を見ていくうちに、いつかは自分でこんな家を建ててみたいと思うようになりました。

 建築士という職業は、実際に建物を建設する、いわゆる大工という仕事と同じように思われがちですが、実は違います。建築士は、建物の設計から完成するまでの全ての課程に携わります。建物の用途、予算、工期、立地条件などを考慮しながら、依頼主の要望に応じた設計を行い、工事が始まると進行の管理も行います。芸術的センスや工学分野の知識はもちろん、資材や機材の知識、管理能力も必要とされます。個人邸宅の場合、その家の持つイメージ、生活空間を最も生かせる土地探しからはじめることもあるでしょう。その中で新しいことに挑戦できることが、建築士という仕事の面白さだと思います。とても難しい仕事だと思いますが、その分、いいものができた時の満足度は高いと思います。建築士は楽しく豊かな生活の可能性を広げる、夢のある仕事だと思うので、建築士になりたいと思います。

 僕のもう一つの夢は、医療機器の研究開発スタッフになることです。病院で行われる検査に「CT検査」「MRI検査」などがありますが、このCTやMRIというのは検査に遣われる医療機器の名称です。こういった医療分野で使われる機器、用具を考案するのが医療機器研究開発スタッフの仕事です。この仕事は医者と比べると知名度は低いですが、検査、診断、治療、リハビリなど医療全般に関わっているため、とても重要な仕事です。

現在の医療では、離れた場所から手術ができる「遠隔治療」や、レーザーで患部を治療する「レーザー治療」など、最先端の技術を駆使した治療が行われています。どんどん医療技術が発達してきていますが、それでも、まだ改良の余地はあると思います。少しでも多くの人の命を救うためにも、医療機器の研究開発に携わり、より良い医療機器を開発したいと思います。

 建築士になる夢も、医療機器研究開発スタッフになる夢もどちらも大切な夢なので、高校三年間で良く考えてから決め、その夢に向かって頑張りたいと思います。