根岸 慎

『私の夢』 根岸 慎

根岸 慎

 今私にはまだ夢と呼べるものがありません。夢を持って頑張っている人を見るととても羨ましく、「なぜなのだろう」と考えてしまいます。そこで私の今までの体験の積み重ねを振り返り、自分とむきあうことで答えを見い出すことができればと思いました。

 あれは、中学生の頃から念願だった野球部に入った高校一年の頃のことです。中学のときの陸上部で痛めた腰の怪我の悪化と他の同級生の部員とうまく人間関係を結べず、一年間で辞めてしまいました。もちろん、お世話になった監督や先輩に申し訳ないと悩みましたが、高二からは頑張って勉強して名のある大学に入ろうと思い猛勉強を始めました。

 しかしそんな動機ではすぐにやる気がなくなり、加えて高二の新しいクラスにも馴染むことができず、学校のことを考えると気分が悪くなるようになりました。それでも高学歴を得ると社会にでて有利になると信じ、部活を辞めてしまったことに対する償いだと自分に言いきかせ、体に鞭打つ思いで学校に行き生活のほとんどを勉強のために費やしました。

 そしてその生活をはじめて半年近くたつと努力したわりにはほとんど結果が良くはなく、無理をしたことで体調を崩してしまいました。さらに友人からは「変わってしまった、笑わなくなった」と言われ、ショックを受け落ち込む状態となりました。

 そのような状態でも高三ともなると、真剣に進路のことを考えなければならなくなり一人では耐えられないと思い、勇気を出して相談することにしました。最初は気分が良いときと悪いときの波が激しかったのですが、何回かするうちに話しを聞いてもらうにつれて今まで辛いことだらけで無駄だと思っていた一年間がプラスに考えられるようになりました。ここまでは一人で考え、将来のことを悪い予想ばかりしていた自分から少し変わってきたように思います。

 また、周りの人の力を借りることによって苦難をのりこえられることを学び、今では立ち直った自分に自信が芽生えはじめています。だからこそ夢のもてる人間になりたいと強く思うのです。

 このような経験をして、今ボランティアや人を助けるようなことに興味を持てるようになりました。もしかしたらこれからが私の本当のスタートなのではないでしょうか。

 もしできるならばアメリカへ行き、新しい価値観にふれたり、同行する人たちとふれあい、新たな経験をし、今ある興味の幅を広げたいと感じています。

 今、まだ、人間関係を結ぶことに不安があり、将来のことを思い悩む自分がいます。しかし、この機会をチャンスとしてさらに自分を変えてゆきたいと願っています。そこでは、自分のことを率直に話したり、人の話を真剣に聞くことで、充実した、あたたかい関係を築き、今の時間を存分に味わいたいと思います。そして、私の夢の土台にすることを約束いたします。